(香蘭side)
新たな部屋を用意され、2人でホッと息を吐く。
これだけの騒動だったにも関わらず、大した怪我人も無く全員無事だという事で、本当に良かったと思う。
事が起きたのは、寧々ちゃんと2人で晴明様の婚礼着の刺繍をしていた時だった。突然何か固いものが投げ込まれて、窓ガラスの割れる音で部屋にいた誰もが手を止めた。
その数秒後に部屋に白い煙が充満し始め、寧々ちゃんの判断で衣装箪笥の中へと2人で逃げ込む。
着ていた衣装を取り替える事を提案されて、言われるがままに変えると、その直後に全身黒ずくめの隠密に見つかった。
部屋内は真っ白な煙が充填していて、そこで一度記憶が途切れる。そのまま2人拉致されて、気が付いた時には見知らぬ真っ暗な場所に閉じ込められいた。
「私達は拉致されたようです。私が姐様のフリをするので、姐様はただの女中だと話すのです。」
寧々ちゃんが小声でそう言ってきた。
「駄目よ…。そんな事したら寧々ちゃんが命を狙われるわ。」
「私は姐様の護衛です。姐様を守る為ここにいるのです。今こそその時。任務をまっとうさせて下さい。」
「嫌よ…」
話しかけている最中に扉がガチャリと開く。
「どちらが晴明の婚約者だ?」
ドスの効いた声を聞き、目を向けると蛇のような目付きの悪い男がこちらを睨んでいた。
「私です。」
私が返事をするより早く寧々ちゃんがそう言って、乱暴に引っ張り出される。恐怖に慄き身体が震え、助けなきゃと頭では思うのに、身体が動く事を躊躇する。
「お前が晴明の女か?彼奴め、わしを騙しよってからに絶対許さない。お前を盾にわしは逃れるぞ。」
薄気味悪い男の引きつり笑いに、羽交い締めに連れて行かれる寧々ちゃんを見る。
「…わ、私が、婚約者です!」
寧々ちゃんが連れて行かれてしまう、助けなきゃいけないという思いで、体の金縛りを無理矢理といて飛び出した。
男が怪訝な顔をして足を止めこちらを見る。
1人の黒装束の男に捕らえられジロジロと見られる。私の恐怖で心臓は痛いくらい高鳴っていた。
「どちらか分からん!!とりあえず2人連れて行くぞ。」
このままでは2人共連れて行かれてしまう。どうにかしなくては気持ちだけが焦る。部屋の外に引きずれるように連れ出され、そこがお屋敷の濡れ縁だと気付く。
「国王、こちらから縄をつたい下に降りるしか方法はありません。」
隠密がそういうと、
「服が汚れるではないか!」
今、そんな事はどうでもいいことを男がボヤく。
今しかない…!
晴明様から護身用にと渡された短剣を懐から取り出し、自分の喉元に向ける。
「私が、婚約者の香蘭です!
その証拠に、この短剣は晴明様から渡された物です。」
震える足で立ち尽くす。
咄嗟に寧々ちゃんを盾にした男も、同じように寧々ちゃんの喉元に短剣を突き付けた。
「女の癖に小癪な…!
ああ、よく見ればあの憎き兄の目によく似ておる。お前が香蘭か、しぶとく生きながられよって!」
怒りで満ち溢れた目で睨まれる。
どうすれば…どうすればこの状況から寧々ちゃんを救い出せるの!?
頭でそう思うのに…打開策と思い浮かばない…
「おい、お前ら!早くあの女確保しろ!!」
向き合う男にも焦りの色が見える。
その時、晴明様の声を聞きどれほど安堵したことか…。
新たな部屋を用意され、2人でホッと息を吐く。
これだけの騒動だったにも関わらず、大した怪我人も無く全員無事だという事で、本当に良かったと思う。
事が起きたのは、寧々ちゃんと2人で晴明様の婚礼着の刺繍をしていた時だった。突然何か固いものが投げ込まれて、窓ガラスの割れる音で部屋にいた誰もが手を止めた。
その数秒後に部屋に白い煙が充満し始め、寧々ちゃんの判断で衣装箪笥の中へと2人で逃げ込む。
着ていた衣装を取り替える事を提案されて、言われるがままに変えると、その直後に全身黒ずくめの隠密に見つかった。
部屋内は真っ白な煙が充填していて、そこで一度記憶が途切れる。そのまま2人拉致されて、気が付いた時には見知らぬ真っ暗な場所に閉じ込められいた。
「私達は拉致されたようです。私が姐様のフリをするので、姐様はただの女中だと話すのです。」
寧々ちゃんが小声でそう言ってきた。
「駄目よ…。そんな事したら寧々ちゃんが命を狙われるわ。」
「私は姐様の護衛です。姐様を守る為ここにいるのです。今こそその時。任務をまっとうさせて下さい。」
「嫌よ…」
話しかけている最中に扉がガチャリと開く。
「どちらが晴明の婚約者だ?」
ドスの効いた声を聞き、目を向けると蛇のような目付きの悪い男がこちらを睨んでいた。
「私です。」
私が返事をするより早く寧々ちゃんがそう言って、乱暴に引っ張り出される。恐怖に慄き身体が震え、助けなきゃと頭では思うのに、身体が動く事を躊躇する。
「お前が晴明の女か?彼奴め、わしを騙しよってからに絶対許さない。お前を盾にわしは逃れるぞ。」
薄気味悪い男の引きつり笑いに、羽交い締めに連れて行かれる寧々ちゃんを見る。
「…わ、私が、婚約者です!」
寧々ちゃんが連れて行かれてしまう、助けなきゃいけないという思いで、体の金縛りを無理矢理といて飛び出した。
男が怪訝な顔をして足を止めこちらを見る。
1人の黒装束の男に捕らえられジロジロと見られる。私の恐怖で心臓は痛いくらい高鳴っていた。
「どちらか分からん!!とりあえず2人連れて行くぞ。」
このままでは2人共連れて行かれてしまう。どうにかしなくては気持ちだけが焦る。部屋の外に引きずれるように連れ出され、そこがお屋敷の濡れ縁だと気付く。
「国王、こちらから縄をつたい下に降りるしか方法はありません。」
隠密がそういうと、
「服が汚れるではないか!」
今、そんな事はどうでもいいことを男がボヤく。
今しかない…!
晴明様から護身用にと渡された短剣を懐から取り出し、自分の喉元に向ける。
「私が、婚約者の香蘭です!
その証拠に、この短剣は晴明様から渡された物です。」
震える足で立ち尽くす。
咄嗟に寧々ちゃんを盾にした男も、同じように寧々ちゃんの喉元に短剣を突き付けた。
「女の癖に小癪な…!
ああ、よく見ればあの憎き兄の目によく似ておる。お前が香蘭か、しぶとく生きながられよって!」
怒りで満ち溢れた目で睨まれる。
どうすれば…どうすればこの状況から寧々ちゃんを救い出せるの!?
頭でそう思うのに…打開策と思い浮かばない…
「おい、お前ら!早くあの女確保しろ!!」
向き合う男にも焦りの色が見える。
その時、晴明様の声を聞きどれほど安堵したことか…。



