そして巳の刻。
香の国の要人と我々万世国の精鋭達5人対5人、机を隔てて向き合い会談が始まる。
もちろん見届け人として、聖国の亜聖とその家臣達もその場に立ち会う。
「それではこちらから先にお話しさせて頂きたい義があります。」
晴明が先手必勝とばかりに話しを切り出す。
その堂々とした威厳に満ちた姿は頼もしく誰もが息を呑んで注目する。
何事にも屈しない強き皇帝晴明が今、目覚めたように語り出す。
「実は数日前、香の国の信頼なる者から連絡をもらいました。
そこに居る劉進殿についての数々の悪行が暴かれ、政情は乱れ反乱が起きているとの事。
劉進殿、それは誠の事ですか?」
「晴明殿、そなたはそのようなデマを間に受けたのか?青いのう。」
何を言っているんだと素知らぬ顔で劉進は高々に笑う。
そんな皮肉は気にもとめず、晴明は話しを進める。
「国民に重い重税をかせ、自分個人の私服を肥やしているという。そして歯向かう家臣に無実の罪をきせ政治から遠ざけ、思うままに政治を操っていたと。これが本当ならば上に立つ者として許し難い行為です。」
「ハハハ…晴明殿はまだまだ若い。そのようなデマを間に受けるとは。
我が国の政治は健全だ。私を恨む一部の愚かな民が妬んでデマをばら撒いてるに過ぎない。そんな情報に踊らされては、そなたこそ国を治める事は出来ぬぞ。」
劉進は全て自分を貶めたい人間の仕業だと言い張る。各地にたびたび起きる内乱は、今年の天候不順の不作によるもので、税金が重いせいでは無いと…。
劉進は自分の罪を正当化しこの場から逃れようと足掻く。だが、ここで香の国の親善大使栄西が立ち上がり、晴明に沢山の嘆願書を手渡す。
「ここに、貴方の家臣から私に届いた嘆願書がある。貴方を支援する家臣は今どのくらいいると思いますか?貴方は既に裸の王だと気付くべきだ。」
冷静に語る晴明の言葉に、劉進は現実を叩きつけられ思い知らせる。
「貴様…憚ったな?
表向きは友好条約と言いながら我が国に忍び込み、本当はこのわしを貶める為に来たのか?」
劉進はやっと現実を見たのか、顔色を変え怒りを露にする。
「貶めるとは言葉が悪い。私は我が国と友好条約を結ぶ国が健全であるかどうかを調べたに過ぎない。そして、今の香の国とは当然手は結べないと判断したまで。
香の国はこのままでは国が傾くばかり、今、必要なのは新たな王だ。」
そう晴明から言い放たれて、劉進はしばし言葉をなくす。
「貴様は鬼だ。甘い顔で近付き知らぬところで蝕んでおいて、そなたの手口こそ小癪ではないか!」
机をバン!っと叩いて立ち上がり、ツカツカと部屋のドアへと向かって行く。
「足掻いても無駄ですよ。逃げようなんて考えない方が良い。これ以上罪を重ねるべきではない。」
晴明はどこまでも冷静で落ち着いた声で言う。
香の国の要人と我々万世国の精鋭達5人対5人、机を隔てて向き合い会談が始まる。
もちろん見届け人として、聖国の亜聖とその家臣達もその場に立ち会う。
「それではこちらから先にお話しさせて頂きたい義があります。」
晴明が先手必勝とばかりに話しを切り出す。
その堂々とした威厳に満ちた姿は頼もしく誰もが息を呑んで注目する。
何事にも屈しない強き皇帝晴明が今、目覚めたように語り出す。
「実は数日前、香の国の信頼なる者から連絡をもらいました。
そこに居る劉進殿についての数々の悪行が暴かれ、政情は乱れ反乱が起きているとの事。
劉進殿、それは誠の事ですか?」
「晴明殿、そなたはそのようなデマを間に受けたのか?青いのう。」
何を言っているんだと素知らぬ顔で劉進は高々に笑う。
そんな皮肉は気にもとめず、晴明は話しを進める。
「国民に重い重税をかせ、自分個人の私服を肥やしているという。そして歯向かう家臣に無実の罪をきせ政治から遠ざけ、思うままに政治を操っていたと。これが本当ならば上に立つ者として許し難い行為です。」
「ハハハ…晴明殿はまだまだ若い。そのようなデマを間に受けるとは。
我が国の政治は健全だ。私を恨む一部の愚かな民が妬んでデマをばら撒いてるに過ぎない。そんな情報に踊らされては、そなたこそ国を治める事は出来ぬぞ。」
劉進は全て自分を貶めたい人間の仕業だと言い張る。各地にたびたび起きる内乱は、今年の天候不順の不作によるもので、税金が重いせいでは無いと…。
劉進は自分の罪を正当化しこの場から逃れようと足掻く。だが、ここで香の国の親善大使栄西が立ち上がり、晴明に沢山の嘆願書を手渡す。
「ここに、貴方の家臣から私に届いた嘆願書がある。貴方を支援する家臣は今どのくらいいると思いますか?貴方は既に裸の王だと気付くべきだ。」
冷静に語る晴明の言葉に、劉進は現実を叩きつけられ思い知らせる。
「貴様…憚ったな?
表向きは友好条約と言いながら我が国に忍び込み、本当はこのわしを貶める為に来たのか?」
劉進はやっと現実を見たのか、顔色を変え怒りを露にする。
「貶めるとは言葉が悪い。私は我が国と友好条約を結ぶ国が健全であるかどうかを調べたに過ぎない。そして、今の香の国とは当然手は結べないと判断したまで。
香の国はこのままでは国が傾くばかり、今、必要なのは新たな王だ。」
そう晴明から言い放たれて、劉進はしばし言葉をなくす。
「貴様は鬼だ。甘い顔で近付き知らぬところで蝕んでおいて、そなたの手口こそ小癪ではないか!」
机をバン!っと叩いて立ち上がり、ツカツカと部屋のドアへと向かって行く。
「足掻いても無駄ですよ。逃げようなんて考えない方が良い。これ以上罪を重ねるべきではない。」
晴明はどこまでも冷静で落ち着いた声で言う。



