翌る日、
目を覚ました晴明に、宦官が怯えながら許しを乞いに来た。
「そなたは今まで生き字引の様に掟に従い後宮を守って来た事は認める。しかし凝り固まった頭で掟にがんじがらめになっているのはいただけない。」
そう、皇帝晴明からお叱りを受ける。
そしてついにここで、上皇と上皇后の奥離宮と華宮殿のみを残し、後宮を解体すると皇帝晴明が宣言する。
今残る2人の側室には身の振り方を決めてもらう。これまで何度も話し合いをしてきたのだから、さすがにもう晴明にすがるのは無駄だと分かってくれただろう。
それに、帰って来た晴明が2人には目もくれず香蘭の元に走って行った出来事も、2人には徹底的なものになった筈だ。
1番抵抗したのは上皇后だが、既にその力は晴明には及ばず…。従う者の少なさに打ちひしがれ老を悟る。
兼ねてから李生と共に練っていた、後宮解体後の人事異動やいろいろを、晴明の鶴の一声によって着実にかつ早急に進められた。
「始めてみれば意外と簡単な事でしたね。」
李生はそう言って、若き皇帝晴明を讃える。
「必要だったのは動き出すきっかけだけだ。」
そう言って爽やかに笑う晴明の言葉に、李生は強く頷いた。
もちろん皇帝の住む皇宮殿も解体する。これは晴明の立っての願いで、普通の夫婦と同じように衣食住を共にするべきなのだという考えからだ。
しばらくは別邸を住まいとし全ての工事が終わったところで、別邸に仕える者達と一緒に華宮殿に住み移る事になるだろう。
目を覚ました晴明に、宦官が怯えながら許しを乞いに来た。
「そなたは今まで生き字引の様に掟に従い後宮を守って来た事は認める。しかし凝り固まった頭で掟にがんじがらめになっているのはいただけない。」
そう、皇帝晴明からお叱りを受ける。
そしてついにここで、上皇と上皇后の奥離宮と華宮殿のみを残し、後宮を解体すると皇帝晴明が宣言する。
今残る2人の側室には身の振り方を決めてもらう。これまで何度も話し合いをしてきたのだから、さすがにもう晴明にすがるのは無駄だと分かってくれただろう。
それに、帰って来た晴明が2人には目もくれず香蘭の元に走って行った出来事も、2人には徹底的なものになった筈だ。
1番抵抗したのは上皇后だが、既にその力は晴明には及ばず…。従う者の少なさに打ちひしがれ老を悟る。
兼ねてから李生と共に練っていた、後宮解体後の人事異動やいろいろを、晴明の鶴の一声によって着実にかつ早急に進められた。
「始めてみれば意外と簡単な事でしたね。」
李生はそう言って、若き皇帝晴明を讃える。
「必要だったのは動き出すきっかけだけだ。」
そう言って爽やかに笑う晴明の言葉に、李生は強く頷いた。
もちろん皇帝の住む皇宮殿も解体する。これは晴明の立っての願いで、普通の夫婦と同じように衣食住を共にするべきなのだという考えからだ。
しばらくは別邸を住まいとし全ての工事が終わったところで、別邸に仕える者達と一緒に華宮殿に住み移る事になるだろう。



