導かれるまま着いて行くと広い部屋に通されて、お茶とお菓子が並べられる。
「これはどういう事?
お腹はまだ一杯だからそんなに食べられないわ。」
私が困って寧々ちゃんに言うと、
「少しだけこちらでお待ち下さい。
今から商人が何人か来ますから、こうしてはいられません。ちょっと準備をして来ますので、姐様はここでごゆるりとお待ち下さい。」
そう言って寧々ちゃんはバタバタといなくなってしまった。
取り残された私は何もする事が無く、ただお茶を啜ってぼんやりと時間を過ごす。
こんなにもゆったりと時が過ぎる時間なんて今までなかった。何もする事がないなんて、なんて贅沢なんだろうと感動すら覚える。
しばらくするとパタパタと足音が聞こえ、数人の商人風情の方達がやって来て、煌びやかな布生地や髪飾り、指輪に首飾りなどの装飾品が、部屋中ところ狭しと並べ始める。
「こ、これは…どういう事⁈」
戸惑う私は寧々ちゃんに駆け寄る。
「若様が鈴姐様にって用意して下さったんですよ。
好きな物を選んで、好きなだけ買い与えるようにって事です。」
ニコニコ顔の寧々ちゃんが楽しそうに行って来る。
「これなんてどうですか?姉様の白い肌に良く映えます。」
真紅の生地に金の刺繍で鶴をあしらった高そうな生地を私に合わせてくる。
「ちょ、ちょっと待って…こんな…
駄目だよ……私に、こんな贅沢…。晴明様は何をお考えなの!?」
私は彼にとって赤の他人なのに、なぜこんなにも贅沢をさせようとしてくれるのか、その真意が分からなくて頭がまた混乱してしまう。
「若様は、ずっーと姐様のファンだったんです。あの方にとってこれくらいの散財は大した事ではないのですから、姐様は思いっきり甘えてしまえば良いのですよ。」
寧々ちゃんはアレやこれやと商人に指示をして、私を着飾り囃し立ててくれる。
「無理よ…寧々ちゃん。私はいずれ一座に戻る身なのだから、こんなに良くして頂いても…返す事すら出来ないわ。」
「若様は姐様に救われたんだと言っておりました。詳しくは分かりませんが、きっと姐様の唄声を聞いて心が癒されたのではないでしょうか。お忙しい方ですから…。なので、その対価だと思って贅沢をしても罰は当たりません。」
そんな事が…でも、だからって…。
当の本人から聞いた話しではないから、そう言われてもいまいちピンとこない。
「姐様、このかんざし可愛い。
私も一つご褒美に買っても良いと言われているんです。せっかくだからお揃いで買いましょ。姐様が駄目って言ったら私のご褒美も買えません。」
寧々ちゃんが、蝶の形に宝石がキラキラ埋め込まれた銀のかんざしを持って来る。
そんな可愛いお願いをされると、とても駄目とは言えなくなってしまう。
「じゃあ…。一つだけ…後は見るだけで充分です。」
「分かりました。とりあえず見るだけですね。」
その後は、寧々ちゃんと楽しくあれこれと装飾品を見て楽しんだ。
「これはどういう事?
お腹はまだ一杯だからそんなに食べられないわ。」
私が困って寧々ちゃんに言うと、
「少しだけこちらでお待ち下さい。
今から商人が何人か来ますから、こうしてはいられません。ちょっと準備をして来ますので、姐様はここでごゆるりとお待ち下さい。」
そう言って寧々ちゃんはバタバタといなくなってしまった。
取り残された私は何もする事が無く、ただお茶を啜ってぼんやりと時間を過ごす。
こんなにもゆったりと時が過ぎる時間なんて今までなかった。何もする事がないなんて、なんて贅沢なんだろうと感動すら覚える。
しばらくするとパタパタと足音が聞こえ、数人の商人風情の方達がやって来て、煌びやかな布生地や髪飾り、指輪に首飾りなどの装飾品が、部屋中ところ狭しと並べ始める。
「こ、これは…どういう事⁈」
戸惑う私は寧々ちゃんに駆け寄る。
「若様が鈴姐様にって用意して下さったんですよ。
好きな物を選んで、好きなだけ買い与えるようにって事です。」
ニコニコ顔の寧々ちゃんが楽しそうに行って来る。
「これなんてどうですか?姉様の白い肌に良く映えます。」
真紅の生地に金の刺繍で鶴をあしらった高そうな生地を私に合わせてくる。
「ちょ、ちょっと待って…こんな…
駄目だよ……私に、こんな贅沢…。晴明様は何をお考えなの!?」
私は彼にとって赤の他人なのに、なぜこんなにも贅沢をさせようとしてくれるのか、その真意が分からなくて頭がまた混乱してしまう。
「若様は、ずっーと姐様のファンだったんです。あの方にとってこれくらいの散財は大した事ではないのですから、姐様は思いっきり甘えてしまえば良いのですよ。」
寧々ちゃんはアレやこれやと商人に指示をして、私を着飾り囃し立ててくれる。
「無理よ…寧々ちゃん。私はいずれ一座に戻る身なのだから、こんなに良くして頂いても…返す事すら出来ないわ。」
「若様は姐様に救われたんだと言っておりました。詳しくは分かりませんが、きっと姐様の唄声を聞いて心が癒されたのではないでしょうか。お忙しい方ですから…。なので、その対価だと思って贅沢をしても罰は当たりません。」
そんな事が…でも、だからって…。
当の本人から聞いた話しではないから、そう言われてもいまいちピンとこない。
「姐様、このかんざし可愛い。
私も一つご褒美に買っても良いと言われているんです。せっかくだからお揃いで買いましょ。姐様が駄目って言ったら私のご褒美も買えません。」
寧々ちゃんが、蝶の形に宝石がキラキラ埋め込まれた銀のかんざしを持って来る。
そんな可愛いお願いをされると、とても駄目とは言えなくなってしまう。
「じゃあ…。一つだけ…後は見るだけで充分です。」
「分かりました。とりあえず見るだけですね。」
その後は、寧々ちゃんと楽しくあれこれと装飾品を見て楽しんだ。



