「大丈夫かあ…?なんで朝からオレはこんな心臓が落ち着かねーんだよ…」
「つーかこれ、自分で運んだほうが早くね?」
「手出し厳禁、使用人として扱え、扱わなかったらコロす。…ってカシラからの3原則を忘れたのか?」
「使用人って……、これが??カシラもよく分かんねェ人だぜ」
お茶碗はいくらぐらいするんだろう…。
もし割っちゃったらまた借金が嵩むよね…。
プルプル震えるわたしが少し体勢を傾けると、何人もの舎弟がいっきに手を伸ばして。
ふーーっと、みんなで汗を拭う朝だ。
それが終わったあとは自分の朝ごはんに取り付けて、少しの自由時間がある。
「……………」
コンロの前、弱火にかけてじっくりと。
それが綺麗な黄金色を作るコツ。
焦って強火にしたなら後々になって後悔することを、わたしは学んだ。



