白いワンピース、麦わら帽子。
10歳くらいだろうか。
ひまわり畑で笑っている少女の写真は、裏面に「音都」という名前が書かれてあった。
音のないまっしろな世界で、少女はこんなにも幸せそうに笑っていたんだ。
「あのさー、さっき言ったこと取り消しといて」
「取り消すって…、AVのことですか?」
「そ。テキトーだとしてもいちばん例えちゃならない単語だった」
「はい…?」
そういう目で見てないし。
てか、それだけはアウトだろヤバいって。
真剣に考えるだけ辞めたほうがいいくらいには微妙だよ14歳なんか。
今なんかケイケン済みも珍しくないだろーし、いちばんマセてる年頃だろーし。
この街だって年齢を偽ってはカラダを売っている未成年だらけだ。
としてもニコちゃんはだめ。
ニコだけは無理、考えること自体に襲ってくる罪悪感と背徳感が尋常じゃない。



