にっこり笑って、その顔を舎弟たちに向けるゆーみ。
ピシッ。
よく本で表現される擬音は、こんな文字。
舎弟たちはいそいそと苦笑いを並べた。
「ってことで矢野、車出して」
「かしこまりました」
ゆーみ……?
どこにいくの?
わたしだけを連れて、今度は外。
「お、新しい回が更新されてるっぽい」
「……!」
かどっこまいにち。
車のなか、前のようにスマートフォンで見せてくれた。
可愛い小さなキャラクターたちを追いかける。
まるで外の風景を見せなくさせるように、なんともわたしの性質を分かりきった動きだ。
「なに、おまえボタンのほつれ糸が好きなの?どう考えてもペットボトルのフタがいちばん図々しくて可愛いってのに。
だってさ、足と手生やして勝手にどっか行っちゃうんだよ。まじ腹立つじゃん。けど、そこがクセになんだよね」
「……かー…ぃ」
「…かわいーね。なにこれ超平和」
目にかかっていた前髪がサラリと退かされる。
ちょんちょんといじくっては指を通して、どうやらわたしの短くなった髪で遊んでいるらしい。



