「…ぉ…る?」
「……な、お、る」
笑ったゆーみと、「治る」の言葉。
この人のぶんもべっこう飴をとっておけばよかったと後悔していれば。
背中に回された手に、身体がふわっと軽く浮く。
「かかっ、カシラ…!ガキを絞め潰すのはせめてオレたちが居ないときに頼むっス…!!さすがにそれだけはマジで後味悪いっスから…!!」
「なに言ってんの?こんなチビ絞め潰したとこで俺に得も利益もないじゃん」
「へ…?じゃあ……それはただの抱っこってこと、スか…?」
「…じゃない?」
ごめんね。
べっこう飴、もう持ってないの。
こうなるならゆーみにもあげる分、多めに作っておけばよかったね。
ううん。
わたしが今朝にも食べたひとつ、食べずにとっておくべきだったんだ。
「お、おい…、なんか……尊くね?」
「それ…!!俺もこの感情に合う言葉探してたわ…!尊い、コレだ…!!」
「カシラにはそれくらいがちょうどいい感…!!できることならもっと見ていたい!!」



