「だからあれは違うって言ってるだろ。向こうから近づいてきたから暇つぶしで1回ヤッただけ。
あんまし良くなかったわりには愛人にしてこようとするし、大迷惑被ってんのは俺だよ」
「どこの女に手ェ出したか分かってんのかおまえは…!!あの女は東條グループの跡取り息子の嫁だって知ってんだろッ」
「そんなこと一言も言ってなかったし、あいつ。もしかして俺ってハニトラに引っかけられた?」
「呑気なこと抜かしてんじゃねェぞ。東條グループがウチ(雲雀会)にとっても外せねェってのは、カシラであるテメェなら分かってるはずだろうが」
とても光輝いているけれど、どことなくゆーみに似ているおじさんだ。
鋭い眼光の奥に捨てきれない情があるような、そんな目をしている。
そしておじさんは、わたしに視線を移した。



