「…りょーかい。とりあえずそいつらは俺が行くまでテキトーに絞めてて」
スマホを閉じて、Uターン。
7歳になった娘へと定期的に渡すプレゼント選びの途中だってのに、ほんと俺の仕事って融通が利かないんだから困る。
………とか思いながらも、さすがにやっぱり娘優先なのよ俺は。
しばらくして再び呼び出し音。
「なにー?俺ちょっといま忙しいんだって」
『いい加減にしろ陽太。おまえが行かねえと俺に回ってくるんだよ』
「そりゃそうよ、だってあんたカシラじゃない。下っぱが片付けられない仕事を片付けるのが絃織さんの───」
『そういやおまえには貸しが2つあったよな』
「………いつのこと?」
『2年前くらいだ』
うっわ気持ちわる…。
2年も前の約束事をきっちり覚えてるあたりがほんっと天鬼のカシラだ。



