「ぅガ…ッ!!ぐは……ァ!!」
「なっ、なんだよこい───ギャッ!!」
私が聞こえないからって、容赦がないところ。
壁に穴を開けたり、舎弟たちを物理的に黙らせて、私のためなら気にくわない女の子に平気で手を上げるところ。
「この子に手ぇ上げんのだけはね、僕がぜったい許さないよ」
「ひっ、ひぃぃいいいい!!!」
何年ぶりかに目にする戦闘狂さんは。
まっしろだった髪は、まっくろになっていて。
もう隠す必要などないと、理由もないと、まるで自分自身に示すかのよう。
「……ゆーみ……兄……?ほん、もの……?」
「…格好よかったじゃん海人。てかおまえ、でかくなりすぎ」
「………ニコのやつ……、合コンとか、ふざけたとこ…、行こうとしてたんだぜ…?」
「…へえ。僕というものが居ながら?
───そーなのニコちゃん」
また大人になってしまったあなたは変わらない眼差しと、明らかに変わった眼差しの2種類を私に向けてくる。



