Nightmare of Light.





「あに……、」


「なぜ天鬼に行った…!!やっとっ、やっとおまえをカタギの世界で生きさせてやれると思ったのに……っ」



だからさっきから何を言ってるんだよ。

急に現れて急に兄貴らしいことして、何年、俺がそれを望んでいたと思ってるんだ。


ガキのときから俺が話しかけるだけで「兄弟だと思われるだけ恥だ」なんて言って、俺を弟にすらしてくれなかったのはあんただろ。



「なるほど。そーいうことね」



そこで助け船のごとく現れたのは天道 陽太だった。

俺たちの話を最初から聞いていたのか、困ったように息を吐きながら俺たち兄弟のあいだに入ってくる。



「安心しなさいよー、お兄ちゃん。俺は憂巳を天鬼に入れたつもりなんかないから」


「……どういう、ことだ」


「ん?だってこいつ、うちに住み込みで働いてるだけのベビーシッターだもの。いやー、いつも娘のお世話してくれてほんと助かってるよ」



話が読めない。

暑さにやられたのか、混乱しすぎて脳がまとまらない。