「なあっ、どういうつもりだよ…!!」
「…………」
「俺を追い出しておいて、なに勝手なことしに来てんの…?……兄貴」
相変わらず表情を変えない男だ。
いつもいつもあんたはその裏に何を隠して生きてるんだよ。
俺とはまったくの別物なようで同じ感覚もすることが、虫唾が走るほど嫌だった。
「おまえとは家族の縁を切った」
「だったらなんで俺のことで天鬼に頭なんか下げてるんだって……聞いてんだよ」
「…おまえはもう、雲雀会とも縁が切れたということだ。……この世界から足を洗える唯一だったんだ」
「…は……?」
「ふざけるな───…ッ!!!」
まったくもって意味が分からなかった。
この男がここまで感情をむき出しにしている理由も、俺の胸ぐらを掴んでいる理由も。
そこまで泣きそうな顔をしている理由さえも。



