どうしてこの16歳は夕飯のあと、必ず私の部屋に来るんだろう。
これから私は受験勉強だって知ってるよね…?
先にお風呂入ってくれていいし、いつもおばさんに私の勉強の邪魔するなって怒られてるのに。
私の部屋、今日も退屈そうにしながらスマホを操作している男の子。
“勉強するの。出ていって”
「予備校でもやって来たんだろ?いーじゃん今日くらい」
おまえ、予備校いってきた。
今日くらいやめろ。
と、単調な手話にして届けてくる。
“いつもでしょ”
「わすれましたー」
ほんと、年々生意気になっていく…。
それにしても今日は海人もしつこい日なようで、出ていく気はなさそうだった。
それどころか私の動きを止めるように、勝手に参考書を閉じてしまう始末。



