「ニコちゃんおかわりあるからね、遠慮なくするのよ?海人っ、ほら通訳!」
「ニコ、メシおかわりあるってさ。───いってえ!!なんでだよ…!」
「ちゃんと手話使いなさいよ!それじゃあ意味ないじゃないの!!あんたは手話くらいしか取り柄ないんだからっ」
「はあ?1年にしてレギュラーな俺のどこが取り柄ナシなんだ。てかニコはそんくらいの言葉なら通じるんだよ」
「……ふふ。おかわり、ください」
「あらっ、そうっ?たっくさん食べてね~」
海人とお母さんはいつもこんな感じで、海人はとてもお母さん似なんだと思う。
おやおやと笑っているお父さんは物静かながら楽しそうにしている。
そんな場所で楽しく過ごしている私だった。
「……かいと、」
「…あーー?」
「……ねえ、かいと」
「あーー?」
「かいと!」
「…っんだよ、なに怒ってんだよ」



