【これ、色が変わるまで混ぜてればいいんだって】
形を作ったアルミホイルに砂糖と水を入れて、火にかける。
たったそれだけで飴が完成されるという。
ぐつぐつと火が通ると、表面がブツブツし
てきた。
思わずトントンと隣のスーツを叩いて知らせれば。
「おっけーおっけー。いい感じ」
大きめにオッケーサイン。
だんだん広がる甘い匂いと、ほんのちょっとの焦げた匂いが混ざって、余計にお腹が刺激される。
「おわっと、手についた。………あっま」
ペロッとなめて、ふわりと微笑む。
まつ毛ひとつひとつが数えられそう…。
鼻の形も、髪の毛から覗く輪っかが付いた耳も、ぜんぶぜんぶがキラキラしている。
明らかにわたしより年上で、彼もまた大人の男性。
ただ抜けきっていない無邪気さがふとした瞬間に見えては、わたしに親近感さえ生ませてくるから不思議なのだ。
「…なーに。ニコちゃん」
わたしの視線に気づいてさっそくチラリ。
びくっと、肩が飛び跳ねる。



