「…それがカシラなりの子供扱いですか」
「そーかも」
「ギリギリとは言いましたが、やはり見方によってはギリアウトです」
「あっのさあ、こんなガキんちょに欲情するほど女に困ってないから。…また転けて泣かれても面倒だし、こっちのが早いんだって」
このひとの移動の仕方は担ぎ上げるらしい。
甘いのすきだよ。
そう答える前には、運ばれていた。
「何度も悪いねバーさん。女の子が喜びそうなパンケーキ的なもの……って、いないし」
「先ほど出かけていったようです」
「あのひとって昔からほんとそーいうとこあるよなあ。んじゃあ矢野、おまえパンケーキ作れる?」
「………………」
キッチンだけのお部屋があるんだ…。
まるで旅館の厨房みたいだ。
冷蔵庫も大きい、コンロもいっぱい。
常に誰かが掃除をしているんじゃないかってくらい、清潔が保たれてピカピカ。
わたしが住んでいた団地はいつも散らかってカビだらけで、薄汚れていた。



