Nightmare of Light.

憂巳side




「うわ、相変わらず朝からエグい量ですね。桜子(さくらこ)さん」


「えっ、ほら、育ち盛りの男の子もいるし、足りないくらいかなって思ったんだけれど……多すぎちゃったかな？」



育ち盛りって……。
俺もうハタチ超えてんだけど。

それは中高生の男に対して言うセリフじゃん。



「ママ！わたしたべるよ？」


「あら、おはようハルヒ。自分で起きられるようになってすごいね」


「It's obvious!わたしもう5さいだもん！ゆーみおにいちゃん、Good morning!!」


「……グッモーニング？」



英才教育をしているというよりは、すこし前までこの家族はオーストラリアに住んでいたらしいのだ。

ってわけで5歳にも関わらず英語と日本語がペラペラな娘と、毎日毎日と莫大な量の食事を出してくれる美人な奥さん。


閑静な住宅街をまた少し抜けた先にある、セキュリティで固められた洋風構造になっている豪邸。


────ここはそう、天鬼組の右腕と呼ばれる男の家だった。