「ゆう、み…っ」
お父さん、お母さんと居なくなって、次があなただとは思わなかった。
あなただけは違うと、いつからか信じてしまっていた。
だってゆうみのほうが私が消えるんじゃないかって恐れていたから。
あのね、ゆうみ。
もうすぐあなたが居なくなって、3ヶ月が経つよ。
「こんちわー。…あ、サブロー」
「ジローな。てかおまえ、大会近いんじゃなかったか?毎日毎日、朝練は大丈夫なのかよ」
「べつにへーき。…てかニコは?生きてる?」
「…待ってろ、呼んでくる」
カシラが変わって、雲雀会はずいぶん静かになってしまった。
これが本来の形だと新しい若頭さんは言うのかもしれないけれど、ぜったい違う。
憂ニコ憂ニコって言って、私たちにカメラを向けてくるような賑やかな朝が本物の雲雀会だよ。
そんな私の送迎も忙しさにそれどころではなくなり、代わりと言うように海人が迎えに来るようになった。



