あれから私は図書室で寝てしまったみたいで、ジャージ姿の海人に起こされて今。
ただ海人も海人で急いで帰らせる気はないようで、私のあたまが完全に目覚めるまでは待ってくれるつもりらしい。
“おまえ学校でいつも、どこにいる?”
“どこって…?”
“休み時間とか”
“…図書室だよ”
だってお友達、いなくなっちゃったから。
ううん最初から友達じゃなかったの。
興味本位に近づかれて、ちがう目的のために利用されて、使えなくなったとたんに捨てられた。
簡単に言ってしまえば、私はあの3人に利用されていただけ。
“ニコおまえ、進学とか考えてんのか”
首を横に振る。
私立に通っておいて進路は就職だなんて、例外もいいところ。
としても私は本当に進学をする気はなかった。
高校に通わせてもらった。
それ以上を望んでどうするの。
「……おまえがしたかったら、ぜったい行かせてくれるだろうけどな。あそこの人たちは」
参考書とノート、それからペンケースをカバンにしまって、乱れていた髪を手早くなおす。
そして追いかけるように海人のあとに続いて学校を出た。



