このひと、知ってる……。
いつかのカフェで娘を抱っこしていたお父さんだ…。
そしてゆうみが敵視する組織にいる人間。
「単刀直入に言う。なんで月島 有志(つきしま ゆうし)を殺した?」
「……………」
「…答えろって言ってんだよ」
「───ぐ…っ!!……いきなりなんなのさ…、危ないでしょーよ」
迷いなく伸びたゆうみの足が、蹴りとなって彼のお腹に食い込んだ。
ただ彼も彼でギリギリで感知して避けたため、効果は60%といったところだろうか。
「月島…ねえ。確かに消したのは俺たちで間違いないかな。それで?きみは復讐相手に俺を選んじゃったと」
───と、彼はゆうみの背後にいる私に気づいて、ほんと少し目を開いた。
私がゆうみに「やめて」と訴えれば訴えるほど、眉間を寄せて何かを考え込んでいる。



