「…じゃー、ニコが治して」
「っ!」
勢いではなく、今度は優しさを主体に持ってきた。
追いつけない私は健在で、たとえ2回目だとしてもついさっきの話なのだから当たり前。
あ……、これ。
あの場を静めるためにするものなんかじゃ、ないね。
「ゅ、…み…っ」
キスをするときは目を閉じるもの。
そんな少女マンガ知識はあっているのか不明だ。
ぎゅっとつむると、合わさった唇が試すように深みを帯びる。
「……っ」
そんなことされたらびっくりして開いちゃうよ…。
はやく大人になりたい。
このひとに追いつきたい。
あの写真に写っていた女の子をあなたが思い出にできるくらい。
あのときのあなたもぜんぶ、私が包み込めるくらい。



