「か、カシラ……、今年は暴れないって約束したじゃないっスかあ……」
「…約束はしてないね」
なぜか謝罪を私に向けるように、ゆうみは1歩1歩と立ちすくんだ私に近寄ってくる。
こわくないよ。
どんなあなたを見たって、私は怖くない。
「ゆう、み」
「だから言ったんだよ。とりあえず俺に抱かれとけば良かったんだって」
「あ……っ」
有無を言わさず掴まれた腕は、あたたかい。
「…もう説明とかめんどいから、許して」
「っ……!!」
それを自分が体験する日は、一生こないと諦めていた。
「「「ええぇぇえええ!?!?!?」」」
「ちょっ、カシラァ…!?!?」
「なっ、なななっ、なんだこの展開は…!!!」
少女マンガのように合わせてすぐに離れるものなんか、甘すぎる。
この人がそんな軽いもので満足するわけがないんだと。
反射的に引いてしまう後頭部はわかりきっていただろうから、強引にも引き寄せてくる。
かと思えば唇の柔らかさに慣れる前にはもう、舌が入り込んできた。



