なんだか私メインになっている今日だけど、何度も隣に見惚れそうになる。
「ゆうみ、かっこい……」
「…………」
ほら、無意識。
耳が聞こえないと、自分が何をつぶやいてしまったのかさえ理解していないのだ。
「…おまえのためかも」
試すようなその眼差しから目が離せない。
掴まれたのは視界だけでなく心もなんだと、17歳を迎える私には何となく分かってしまっていた。
私だけが見ていたいな……。
そんな気持ちを、抱くようになった。
「カシラ、くれぐれも去年のようなことは起こさないでくださいっスよ」
「あー……、は?あれはどう考えたって正当防衛だろ」
「松林のオヤジは確かにクセが強いっスけど…ほんと、今回だけは頼むっス」
「ってことは今年も来るわけね最悪。いい年こいた加齢臭まみれのオッサンに言い寄られる俺の気持ち、おまえ考えたことある?」
「そりゃまあ…、そうかもっスけど…!オレでもさすがに殴るはできねーっスよ…」



