“カシラが熱?”
“うん。今は寝てるけど、看病は私がするよ”
“わかった、上には伝えておく。頼んだぞ”
朝になっていちばんに矢野さんに伝えて、使用人の鹿波さんにはお粥を作ってもらうよう頼んでおいた。
昨夜は私がずっと看病をしていたが、朝になっても治まる予感はなかった。
と言っても私にできることなんか、タオルで身体を拭いたり熱さまシートを替えたり、それくらいだ。
(今日が土曜日で良かった…)
とくに同級生と遊ぶ約束もない私は、休日の過ごし方といえば家で勉強するかお手伝いするかの2択。
「ゆうみ、おかゆ」
「…………食べさせてくんないと無理」
「…?」
「た、べ、さ、せ、ろ」
あつい、だるい、さむい。
しか言わなかったゆうみの語彙力が、ここにきて別の命令をしてきた。
鹿波さん特性のお粥は、彼が好きだからという理由で卵がふんわり溶かれている。



