もうこれ以上の提供がないことを察すると、フードファイターな女の子は大きな瞳にたっぷりの涙を浮かべる。
そんな姿にぎょっとさせるお父さん。
「待って待って、よしよしハルヒちゃん、帰ったらママに作ってもらえるから、すぐだからソッコーだから。
たぶん身体よりおっきいケーキだよ?それなりの覚悟が必要になってくるよ?」
「いゃぁぁぁ…っ!!ここで食べるの!
I hate you, Daddy!!」
「あ~泣いちゃったか~。でもお願いだから“パパ嫌い”はやめて冗談でもダメ死ぬしかなくなる。好かれるために仕事またサボりまくるよパパ。そんで同じくらい親バカな上司に怒られんのよ?パパ不憫すぎー」
すっごい泣いてる……。
お皿を数えると、あんなにも小さな身体で10皿は食べているようだった。
「あの歳で帰国子女&2ヵ国語ペラペラとかやべえ……」
と、海人はわたしの隣で何やら言う。
そのとき。
飾りだと思っていたピアノに、誰かが座った。



