4人並んで歩く翌日の帰り道にて、私以外の3人は同意件だった。
躊躇ってしまった理由は、私が今現在暮らしている場所は恐れられている場所だから。
基本的に女の子が入ってはいけない。
海人だけは別枠でも、普通は大人の男しか通らないような家だ。
「ダメかなあ?」
「あたし張り切っちゃって、クッキー焼いてきたんだけど…」
雲雀会ということを彼女たちは知らない。
キャーキャーと騒いでいる相手が、その組織の若頭だということも。
ぜんぶ知っちゃったら、みんなは私から離れていくのかな…。
【ごめんね。うち、みんな厳しい人なんだ…。誰かを家に上げたりすることができなくて、とくに女の子は】
【そこは大丈夫だよ、ニコちゃん。実はね?】
内緒話をするように、ひめのちゃんがこんなメッセージを送ってくる。



