「でも、あんま変わんないで」
運転しながらチラリと一瞬私に移して、彼は何かをつぶやいていた。
「羽倉さん、羽倉さん!」
「……はい…?」
さっそく急ぎ気味に肩を叩かれた翌日の休み時間。
私はいつものように振り返って確認してから、声を出した。
そこには3人組の女の子たちが笑っている。
【私たち、羽倉さんと喋ってみたくて!ニコってすごく可愛い名前だと思ってたんだ~】
【よかったらうちらと連絡先交換しない?アプリとかやってる?】
【あたしセイラ!みんなセイちゃんって呼んでるから、羽倉さんもそう呼んじゃって!】
それぞれが持つスマートフォンに書かれていた文字。
新鮮なうちは興味本位から集ってくる。
最初は誰だとしても信用しないように───と、矢野さんには言われていたけれど。
初めてスマートフォンに入った同い年の女の子の名前は宝物だ。



