「あ、おつかれー。初日どうだった?」
………なんともオーラがある人だ。
そんな場所でスーツ姿で車に寄っ掛かるように立っていたら、そりゃあ女の子たち騒いじゃうよ。
「…ゆうみ」
「たまたまね、近くを通ったから。ほんと、たまたまね」
たまたま。
何度も繰り返されて、そうなんだと思うことにする。
あたまを軽く叩くみたいに手が乗せられると、取り囲んでいた女の子たちが揃って声を出したような気が。
矢野さんかジロー。
送迎は基本その2人だと言われていた。
「俺高校なんかサボってばっかだったし。偏差値も低い男子校で根っからの不良高校。だからうちで生活してるニコが優等生コースとか、ほんと笑えるよ」
「……たのしかった、よ」
「…ならいーんだけど」
普通の学校って感じがした。
聾学校とはまた違う空気感があって、クラスメイトはいろんな人がいて。
その“いろんな人”のひとりに、私もなれているのかな…。



