大丈夫だよ、聞こえてないから。
みんなが一通り考えることは予測できている。
傷つきもしないし、そういう場所だと理解した上で私はここにいるんだ。
それにしても海人はちゃんと寝坊せず学校に来てるのかな…。
「なるべくクラスのみんなと一緒に授業を受けたいと、それは羽倉さんの意向だ。みんなも手助けしてやるように」
視線のなかで案内された席に座って、今日からクラスメイトの一員となった。
慣れないブレザーにスカート。
中学校に1度も通えなかった私を高校に通わせてくれたゆうみには、感謝してもしきれない。
私、ここで頑張るね。
「ねえ、声かけてみない…?羽倉さん1人にするのは可哀想じゃん」
「だってどうやって…?声かけるにしろ、聞こえないんだからどうしようもなくない…?」
「そうだけどさあ……」
難しい。
それは最初から分かっていた。
クラスメイトたちの伺うような眼差しを感じて、私はできるかぎりの笑顔を向ける。
すると彼女たちはどこか気まずそうに目を逸らすのだ。



