「今日からこのクラスの仲間入りとなった羽倉 ニコさんだ」
聾学校とは何もかもが違った。
ここには私と同じ生徒はひとりもいない───そう思わせてくる、個性と色があった。
「ただひとつだけ、羽倉さんのことでみんなに言っておかなくてはならないんだが……」
担任の先生は男のひと。
理科を担当しているからか、理性的な印象だった。
聞こえないなかでも賑やかだったクラスメイトたちがここで一斉に口を閉じる。
「彼女は両耳が聞こえない障害を持っているんだ」
向けられる同情的な目。
疑問もたくさん含まれていて、ここを乗り越えれば大丈夫だと自分に言い聞かせる。
「先生、それって授業とか俺たちと受けれんの…?」
「特別学級じゃね…?英語のリスニングとか無理じゃん」
「ちょっと!あんたらデリカシーとかないの?羽倉さんに失礼でしょ!」
「あっ、わりぃ…」



