背中に隠し持っていたフォトフレーム。
我慢できなかった涙といっしょに差し出してしまった写真には、今よりも若いあなたが見知らぬ女の子と笑いあっている。
初めて見つけたときは少し気になった程度で、ここまで苦しくなんかならなかったのに。
2年。
たったの2年だ。
どうして今はこんなにも嫌なの。
「……そんなの捨てたもんだと思ってた」
「だれっ」
「それ?…俺かな」
「だれ…っ」
「…元カノ的な」
元カノ。
こういう単語だけは嫌でも読み取れてしまうんだから、もうどうしようもない。
「ちかい、よ…っ」
ここまで幸せそうに笑う顔、見たことないよ。
私を抱きしめてくれたときは確かにあったけど、私に対するものとは全然ちがう。
そもそも今はもう触れてくれなくなった。



