「は?やめるって、なんで?」
「…私もよく分かりません。急に学校はやっぱりいいと」
「あんなに行きたがってたのに?俺、そこの学校の理事長にとっくにヤキ入れちゃったんだけど」
「当面、部屋には入らないで欲しいと本人からの伝言です」
を、素直に聞いてくれる相手ではない。
そんなことは最初から分かっていた。
閉めきっていた襖は迷いなく開けられて、冷たい目をして見下ろしてくる。
“学校やめるって、本気?”
「うん」
“なんで?こっちはいろいろ準備してたよ“
「…ごめん」
あなたが手話で、私が声。
今ではこんなこともできるようになったね。
”なに拗ねてんだよ”
そう、拗ねてるの。
私がワガママを言ったから嫌われたんだと、拗ねている。
ほら今だって。
前はちゃんと目線を合わせてくれたのに、今はいつまで見下ろしてくるの。
くび………つかれる。



