Nightmare of Light.

憂巳side




「カシラ。今年の年越しくらいは屋敷で過ごされては」


「去年は居ただろ」


「いえ。年が明けてから帰宅されましたよ」


「そーだっけ」



俺だって年末くらいはゆっくりしたいけど、どうにもそうはできないくらいの調べものができてしまった。

てか、もう今年も終わるとか早すぎ。


矢野は俺が屋敷に戻るたび声をかけてくるから、こいつにだけはそろそろ言っていいかと口を開く。



「ニコ……いや、月島 音都(つきしま おと)の父親の情報が少し分かった」


「……それをずっと調べていたのですか」


「…ずっとってわけじゃないけど。まあ暇つぶし程度に?」


「……あなたの優しさを誰よりも知っているのは私でもあります」



やりづらいし、面倒。

俺のそんな部分をいちばん最初に消してきた男のくせ、今さら言ってくるとか。