「おい。俺のニコちゃんを下僕呼ばわりするなよ」
「わっ!イデッ!!!ゆーみ兄っ、ひでーよオレにだけ秘密にしてるなんて!!」
あの日以来、ゆーみを見るとほんのちょっとだけ緊張するようになった。
気分を紛らわせるためにトイレ掃除でもしてこようかな…。
「まてまて、今カシラ……“俺の”って言わなかったか…?」
「ああ、言ったよな…?ぜってえ言ったよな…!?」
「生まれてんじゃねーか独占欲ッッ!!」
「まあオレたちはあんな感動的なシーンを見てんだからよっ、今さらだぜ!!」
「憂ニコの成長に乾杯ッッ!!」
15歳と21歳。
ゆっくり、ひとつひとつ、確実にどこかには向かっている。
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