「ほら見なさい!やっぱりあなたたちに真実の愛はないのよ!!」
「……アホらし。いーよもう、結婚するよ」
「はあ!?!?カシラっ!?なに諦めてんスか…!!こんなのが姉御になるなんて、オレたち嫌っスよ!!!」
「だって仕方ないじゃん。俺、カシラなんだし。組織のためとか言われたら利用するよ、こんなオバサンでも」
いーよもう、結婚するよ。
わたしに届いてきた言葉は、これだけ。
「だとしても俺、生憎あんたの王子様にはなりたくないから抱けないけど。それでいいなら、とりあえず書類上の嫁くらいにはしてあげるさ」
「かっ、考えなおすっスよカシラ…!!そんな自暴自棄になってどーするんスか!!パパッと風呂に入っちゃえばいーんスよ!!」
「…脱ぎたくないんだよ。こいつを怖がらせたくない」
「…………」
彼はいつも、ワイシャツの下にインナーを着ている。
なにかを隠すように着ていることだけは、知っていた。



