「やっべえのが来た……。あれは売れ残るわけだわ…」
「カシラ、どんまい……」
「でも西園寺グループだろ?かなりの権力者だぜ」
「まあカシラ本人は受ける気なんか更々ないっぽいけどな…」
覗き見る舎弟たちに混ざって、わたしも小さな緊張を感じていた。
ゆーみ、どうするんだろう……。
わたしのような子供の意見なんかアテにならないかもだけど、あの女性とゆーみはどう見たって釣り合いが取れていない。
「キララぁ、今まで王子様が迎えに来てくれなかった理由がやぁ~っと分かったかも!今日のためだったのねっ」
「砂糖大さじ2、醤油大さじ3、だし少々、みりん大さじ1、酒大さじ1、えーっとあとはなんだっけ?ジロー」
「こーいうときに正しい名前ッッ!!…ちなみにそれ、なんの材料確認っスか…?」
「肉じゃが。俺しらたきとインゲン入ってんのが好きなんだよね。退屈すぎてこれから作ろうと思ってさ」
「………現実逃避が斜め上すぎて見てられねえ…」



