「断るってェのは、一体どういう了見だ?あ?」
「なんでそんなにキレてるんだよ。どうもこうも、そのまんまの意味だけど」
「西園寺(さいおんじ)グループとウチが繋がれば、この上ない組織拡大にもなる。これは雲雀会のためでもあると思え」
「だからって話したこともない女と結婚しろって?いい加減にしろよクソハゲ」
今日もまた、家が揺れた。
わたしの隣でずっと震えていたジローの肩がとんでもなく跳ねたから、ああどちらかの手が出ちゃったんだ…って理解する。
「なら、まずは話す場を設ければいいんだな?」
「そーいうわけでもないから。縁談?結婚?ないない。勝手に決められるくらいなら一生独身でいーや俺」
「もし腹ァ括れる女がいるなら、ここに連れてこい」
「……したら今回の話、承諾してくれんの?」
「その女にもよるが、考えてはやる」
「…なるほどね?」
────で、どうしてこうなったんだろう。



