憂巳side
「だいぶ慣れたみたいっスね」
前までは縁側で待ちぼうけて寝落ちてたり、庭に飛び出して時間を潰したりして、俺の帰りを待ってる可愛さがあったってのに。
最近のあいつは非道な奴だ。
俺が見てないところで他の男と仲良くしちゃってんだもん。
「笑顔も増えてるっス。オレも手話、できるようになったんスよ?」
「あっそ」
こいつはゴローでもなくてサブローでもハチローでもなくて、ジロー。
俺の実家であるこの家に住んでいるわけじゃないけど、毎日のように顔を出してくる使えない舎弟のひとりだ。
「女ってほんと変わるよね。いつの間にかお下がりの服じゃ満足できなくなってる」
「少女の2年は男の10年って言うっスからねえ…」
「…初耳だけど。まだ1年だし」
「あれ?言わないっスか?」
べっこう飴だって、ちょっと前はペロペロ舐めてそのままだと糖尿病になってこいつ死ぬんじゃないって思ってたけど。
もうそんな安物じゃ喜ばないわ、みたいなつまんない女に成り下がったってんなら教育し直さなくちゃだ。
「だいぶ慣れたみたいっスね」
前までは縁側で待ちぼうけて寝落ちてたり、庭に飛び出して時間を潰したりして、俺の帰りを待ってる可愛さがあったってのに。
最近のあいつは非道な奴だ。
俺が見てないところで他の男と仲良くしちゃってんだもん。
「笑顔も増えてるっス。オレも手話、できるようになったんスよ?」
「あっそ」
こいつはゴローでもなくてサブローでもハチローでもなくて、ジロー。
俺の実家であるこの家に住んでいるわけじゃないけど、毎日のように顔を出してくる使えない舎弟のひとりだ。
「女ってほんと変わるよね。いつの間にかお下がりの服じゃ満足できなくなってる」
「少女の2年は男の10年って言うっスからねえ…」
「…初耳だけど。まだ1年だし」
「あれ?言わないっスか?」
べっこう飴だって、ちょっと前はペロペロ舐めてそのままだと糖尿病になってこいつ死ぬんじゃないって思ってたけど。
もうそんな安物じゃ喜ばないわ、みたいなつまんない女に成り下がったってんなら教育し直さなくちゃだ。



