聞いてみたいな…、ゆーみの声。
どんな声をしているんだろう。
低い、高い、優しい、怖い。
あなたの音はどこに当てはまる?
「ジロー、ほたか、リキヤ、てっぺい。…殺すぞ」
「ヒィィヤァァァバレてる…!?だから言ったんだ推し活はもっと堂々としようぜって!!」
「知らねーよ俺に言うなって!!おいっ、写真はバッチリ撮れたんだろうな!?」
「撮れた撮れた!!それにカシラ!だからオレはジローっ……あれっ?あってる?ジローって言った…っス、よね…?」
耳が聞こえないことに感謝。
数秒後には伸びきった舎弟たちが積み上げられていた。
「言っとくけど、海ニコより憂ニコのがたぶんファンも多いから」
聞こえないっておそろしい。
わかってないって、おそろしい。
通じないって、おそろしいね。
でもそれで良かったねって、わたしたちはなるんだ。
「色恋なんか、まだ早いんだよガキんちょ」
ガキんちょ。
そう言えるのは、いつまでかな。
縮まった身長差に動揺しているのはあなたのほう。
パチンと痛くないデコピンをひとつ落として、雲雀会という組織の若頭さんは再び屋敷を出ていった。
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