「ゆーみ兄!殴ることねーじゃんっ」
「なんで今日もいんの?あとその呼び方キモいからやめろって言ってるだろ」
「いいじゃんか近所のよしみなんだしっ、オレはニコの唯一の友達になってやったんだから!」
「そんなのこっちから願い下げ。おまえとつるむだけうちのニコちゃんに害しかないから」
「んなことねーよっ!」
わたしは15歳になった。
今となっては屋敷の人間以外ともまた関わりが増えて、舎弟たちも慣れたもの。
それはいつぞやかに中庭の壺を割ったカイトという少年で、13歳の中学生になった海人は学校帰りによく屋敷に寄るようになっていた。
目的はわたしに勉強を教えてもらうため。
そして、たまに夕飯までも食べていく。
基本関係者以外は立ち入り禁止の敷地内なのだが、どうにもわたしの友達という名目のもと通行許可が降りているらしく…。



