「ったく、こうなるなら連れていけば良かったよ」
「いや…、それはいくらなんでもマズイっスよ。周りになんて説明するんスか」
「俺の嫁候補とでも?」
「……………」
「ふ、さすがに早いし犯罪か。もう少しいろいろ成長してもらわないとだし」
「…えっ、や、早いとかそーいう問題だけっスか…?」
「………冗談に決まってんだろ。ハチロー、いまの誰かに言ったらどうなるか───」
たぶん、初めて。
自分から抱きついて、すがるように抱きついて、何度も何度も名前を呼びながらどこにも行かないでと腕を回したのは。
「……どーしたニコちゃん。寂しかった?…ごめんね」
「ぎゃああああカシラの激甘ボイスと背中&頭ポンポン!!20歳と14歳というギリギリを走るこの尊さが憂ニコの推すしかないポイント……、うおおお憂ニコしか勝たん!!!ちなみにオレはジローっスから!!」
「…だからさあ。おまえら最近オタク化してんの、ほんと何?聞いてて語彙力相当キモいんだけど」
「お気になさらず続けてくださいっス…!!オレは空気になれるんで!!」



