「ゆ……、み…?」
また見つけてしまったフォトフレーム。
そこに写っている───羽倉 憂巳がいた。
(ううん、ちがう。ゆーみじゃない…)
似ているけれど違うひとだ。
彼がいつも浮かべている笑顔がなく、その鋭い瞳孔は笑顔という言葉をも掻き消してしまうような。
見ているだけで喉が渇いてくる。
ゆーみよりも年上の雰囲気があって、隣に写っているメガネの男性をわたしはよく知っていた。
「っ…」
会いたくなった。
似ている人を見たら、本物に。
けれどスマートフォンは没収されてしまって持ってない。
わたしがあの日勝手なことをしたから、たった数日で取り上げられてしまったの。
だったら探しに行こう。
この足で、この手で。
「ぅあ……!」
なにかに躓いて玄関の前。
わたしはおもいっきし顔から転んだ。



