五分ほど経ったろうか、突然、ハンドルが右に取られて倒れそうになった。 がたがたと自転車が今までと違う振動をする。 「あれ?」 降りて確認すると、前のタイヤにぶっ太い五寸釘が刺さっていた。 「何で、こんなトコに五寸釘!?」 悩んでる暇はない、とハタと気が付く。 とにかく釘をぐりぐりとこじりながら引き抜いた。