この日、のんびりとした田舎の空気を満喫した俺は、予定通り、東京に帰る日を迎えた。 リュック兼用のデイ・バッグに貴重品だけを残して着替えは先に宅配便で送っているので、身軽な物だ。 白いTシャツに、ブルーのジーパン。 足下は、フットワークも軽く履き慣れたスニーカー。 爽やかな俺の心を映すように、午後二時の夏の空は快晴だった。 遠くから、ミンミンゼミの大合唱が聞こえて来る。