「助けに来てくれた……のかな?」 自動車のパンクに、天気雨。 自転車の五寸釘に、チェーンの切断。 さぞ、孤軍奮闘してくれたであろう、白い獣の姿が思い浮かんで、思わず、クスリと笑いが漏れた。 今度来た時は、ばーちゃんの『お稲荷さん』を神社にお供えに行こう。 それは、俺が経験した、ちょっと不思議でおかしな、十八歳の夏の出来事――。 ―了―