depot~停車駅~(短編)


ちりん、ちりん、と俺が首に付けてあげた小さな銀の鈴が、澄んだ音を響かせる。


「おいで……。こっちだよ――」


俺は、その自分の声で目を覚ました。


はっとして、腕時計を確認する。眠り始めて三十分ほど経っていた。


くすくすくす。


その声にぎょっとして周りを見回すと、枕元に女の子が座っていた。