「はー。疲れた……」 腕で額の汗をぐいっと一拭いすると、駅舎に入る。 駅舎とは名ばかりで「ほっ立て小屋」と言う感じの三畳ほどの木造の骨組みに青いトタン張り。 入り口は、ごく普通の家庭用の引き違い戸。 奥の壁にもやはり家庭用の引き違い窓。 その両方がガラリと開け放たれている。 風向きの関係で上手い具合に雨は吹き込んで来ないようだった。