ボソッと捨て台詞を吐いて、隣にある2組の教室に向かった。
こちらも1組と同じく。ドアを開けた瞬間、ワイワイと盛り上がっていた室内が水を打ったように静まり返った。
周囲の視線に目もくれず、そのまま真っ直ぐ窓際最後尾の席へ。
椅子に座り、スクールバッグから教科書とノートを取り出していると、視界の端にスラックスを穿いた人物が入り込んだ。
「弓崎さん」
「……はい?」
まさか話しかけられるとは思っていなくて、反応に数秒かかってしまった。
顔を上げた先には、まるで王子様のような風貌をした茶髪の男の子が1人。1年の頃からのクラスメイトだ。
「おは、よう」
「おはよう本郷くん。何か用事?」
「うん。さっき階段で拾ったんだけど……これ、弓崎さんの、だよね?」
ぎこちない口ぶりで答えた彼が、握っていた手を恐る恐る広げた。
丸々としたフォルムの、三毛猫のチャーム。
スクールバッグを見たら、ストラップが壊れており、紐と金具のみがぶら下がっていた。
「追いかけようとしたんだけど、隣のクラスに行ってたから。弓崎さんので合ってる?」
「合ってる。ありがとう」
やや早口でお礼を言って、チャームを受け取った。
購入して1年ちょっと。劣化と言うには早すぎるから、厄落としかな。
別の金具に付け替える手もあるけど……現状的に、まだ完全には落としきれてなさそうだし。部屋に置いておくほうが安全かも。
「うわ、なにあの態度」
「拾ってもらってるのになんであんなに偉そうなわけ?」
「ってかさ、よく学校来れるよね。退学にならないのが不思議なんだけ──」
チャームをポーチの中に入れ、耳栓を装着。
スマホを取り出して、ホームルームが始まるまで時間を潰した。
こちらも1組と同じく。ドアを開けた瞬間、ワイワイと盛り上がっていた室内が水を打ったように静まり返った。
周囲の視線に目もくれず、そのまま真っ直ぐ窓際最後尾の席へ。
椅子に座り、スクールバッグから教科書とノートを取り出していると、視界の端にスラックスを穿いた人物が入り込んだ。
「弓崎さん」
「……はい?」
まさか話しかけられるとは思っていなくて、反応に数秒かかってしまった。
顔を上げた先には、まるで王子様のような風貌をした茶髪の男の子が1人。1年の頃からのクラスメイトだ。
「おは、よう」
「おはよう本郷くん。何か用事?」
「うん。さっき階段で拾ったんだけど……これ、弓崎さんの、だよね?」
ぎこちない口ぶりで答えた彼が、握っていた手を恐る恐る広げた。
丸々としたフォルムの、三毛猫のチャーム。
スクールバッグを見たら、ストラップが壊れており、紐と金具のみがぶら下がっていた。
「追いかけようとしたんだけど、隣のクラスに行ってたから。弓崎さんので合ってる?」
「合ってる。ありがとう」
やや早口でお礼を言って、チャームを受け取った。
購入して1年ちょっと。劣化と言うには早すぎるから、厄落としかな。
別の金具に付け替える手もあるけど……現状的に、まだ完全には落としきれてなさそうだし。部屋に置いておくほうが安全かも。
「うわ、なにあの態度」
「拾ってもらってるのになんであんなに偉そうなわけ?」
「ってかさ、よく学校来れるよね。退学にならないのが不思議なんだけ──」
チャームをポーチの中に入れ、耳栓を装着。
スマホを取り出して、ホームルームが始まるまで時間を潰した。



