奈落の悪役メイドは孤高の御曹司に求愛される

「ごめんね。初日からこんな暗い話……」

「ううん。話してくれてありがとう。大変だったんだね」



優しく寄り添う入江くん。だが眉尻はハの字の形になっており、ますます罪悪感が募る。

赤裸々すぎちゃったかな……。

もう1度、「ごめんね」と謝ろうとしたら……。



「ならさ、俺の家に来ない?」



予想もしていなかった発言に、一瞬耳を疑った。



「それって……入江くんのお家?」

「うん」

「入江家で働くってこと?」

「そう。住み込みで。お風呂は共同だけど男女別に分かれてる。ちなみに部屋は個室、ご飯は3食ともおかわりし放題だよ」



聞き間違いじゃなかった。


え、え、待って。住み込み? でもって朝昼晩ご飯付き? っていうか今、サラリとお風呂が2つあるって言わなかった!?

入江くん、お金持ちなの……!?


今朝見ていた求人とは比べものにならないほどの好待遇に、思わずゴクリと唾を飲む。



「お父さんと住んでいるとはいえど、夜に女の子1人は防犯面的にも心配だし」

「それもそうだね……」

「あと、戻ってきたばっかで、色々とバタバタしててさ。今年で定年退職する人がいるから、今のうちに新しい人手を増やしておきたいなと思って」